転職の疑問

美容師を辞めたいけど決断が付かない人への助言と考え方

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美容師は「手に職を付ける」という技術的な部分に加えて、美を作る華やかな雰囲気で人気の職業です。

そのため毎年志願する人は多いものの、2000年台の初め頃から「美容室は飽和状態にある(=美容師多すぎでしょ)」と言われているため非常に厳しいのが実情。

この記事を読んでいるあなたは美容師でしょうか?

今まさに「美容師を辞めようか悩んでいる。もし辞めたら違う美容室を探すか、それとも異業種に転職か。」と、頭の中でグルグル煮詰まっている人も多いでしょう。

この記事では「美容師の未来とあなた自身の可能性」について考えてみたいと思います。

美容師として働き続けるのは厳しいのか?

美容師の技術はもはや特別ではなくなってしまった?

この見出しを見て腹を立てる方、あるいは納得してしまう方もいるでしょう。

まずは厚生労働省が調査したとされる下記のデータを見てみて下さい。

厚生労働省が2017年10月26日発表した衛生行政報告によると、2017年3月末現在の美容師数は50万9279人で施設数と同様、過去最多を更新した。

前年度比4581人(0.9%)増だった。1971年には21万6906人だった美容師数は毎年増加を続けている。

引用:美容師理容師合わせると73万人 - 理美容ニュース

日本全国に73万人いると考えると「まだまだそんな多くないじゃん、日本は1億2千万人もいるんだから」と思いますよね。

しかし、冒頭で触れた2000年頃はどれくらいの美容師人口だったのかというと約345,115人とされています。(上記の理美容ニュースより)

その頃で供給過多が指摘されていたのですから、2019年現在も相変わらず供給過多であることには変わりないと推測できるでしょう。

 

どんなに素敵な技能を持っている人だって、その技能を有する人が増えてしまうと珍しさはありません。

技術や技能がありふれたものになるとどうなるでしょうか?

 

価格破壊が起きます。

では他店よりも安くメニューを提供し、かつ接客・サービスも充実させていくとどうなるでしょうか?

 

雇われている従業員はどんどん疲弊していき、給料も上がりません。

(サービス内容を簡素化してバランスを取っている美容室・理容室もありますが)

さらに低賃金や労働条件に文句を言って辞めた所で供給過多なこの業界、探せば他に美容師はたくさんいるという状況です。

 

つまり「美容師を束ねている経営者以外は基本的に稼げない構造」となっていることがわかるでしょう。

次はさらに低賃金美容師が生まれる理由について考えたいと思います。

 

憧れや夢があると同時に残業・低賃金のブラック慣習は今後も残り続けるか

「トップスタイリストになりたいと憧れる美容師」や「独立を夢見る美容師」は数多くいるでしょう。

そもそも美容師という仕事が華やかですからね。

だからこそ美容師になりたての頃は「給料が少なくても今は我慢」や「修行させてもらっている」などと理由を付けて長時間勤務や低賃金を受け入れることができるのです。

 

また「自分が入りたての頃はあなたより低賃金だったよ」などとあなたが恵まれているかのような言い方をする先輩や上司もいるでしょう。

このような連鎖が供給過多の美容師業界でウルトラブラック勤務がまかり通る理由となっています。

 

これは美容師だけではなく、デザイン業(グラフィックデザイナーなど)でも同じ事が言えます。

オシャレさを感じる仕事は「憧れや夢」を餌に過酷な労働を強いられやすいのですね。

 

これで給料が上がっていくなら良いですが、どうでしょうか?

30代後半になったのに、20代の頃とほとんど給料が変わってない・・・なんて話、よく聞きます。

転職が厳しい年齢になってから異業種転職を考える人ももちろんいますが、早々に見切りを付けた20代半ばと比較したら出遅れ感はありますよね。

(だからといって諦めるのはもったないです)

 

美容師を辞める決断に悩みが生じる理由

まだアシスタントだから経歴にキズがついてしまいそう

アシスタントとして働いている場合、簡単に辞めるとその後の転職に響きそうですよね。

もし次の転職先も美容室なのであればアシスタントで辞めることはあまりオススメできることではありません。

 

しかし、大事なのはアシスタントかどうかよりも「働いた期間の中でどんな経験をし、何を考えたのか」ではないでしょうか?

他業種に行こうと思うのであれば「様々な人と接する中で美容以外の興味が湧いた」とかでも理由としては成り立ちます。

 

また、わざわざ美容師になったのに違う業種に行こうとする人は「美容師として時間や労力を費やしたのに、うちに来るなんてよほど突き動かされる何かがあったのだろう」と思ってもらえる可能性もあるでしょう。

それが次で説明する「サンクコスト」も関係してくる部分です。

 

美容師として積んできた時間・経験・技術が足かせとなる

専門学校時代から日夜技術向上に励んでいた時間すべてが「辞めてしまうのか?あんなに頑張っていたのに」とあなたを説得してきます。

美容師になるために揃えた道具だって決して安い買い物ではありません。

このような、既にお金や労力を費やしてしまい戻ってこないもののことを「サンクコスト(埋没費用)」といいます。

埋没費用(まいぼつひよう、英: sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと[1]。

上述の通り、埋没費用は事業や行為の中止をしても戻ってくるものではない。しかし、埋没費用を考慮した結果として合理的でない誤った判断を下す場合がしばしば存在する。

引用:埋没費用 - Wikipedia

美容師になるためにかけたお金や時間はもう戻ってきませんよね。

だからこそ「せっかく今まで勉強したのにもったいないよ!」という人もいるのです。

しかし、いま見切りを付けて違う業界に目を向けた結果大きな変化が得られる可能性もあるのです。

 

自分が今までかけたコスト(お金や労力・時間)を含めてしまうと、どう考えても美容師として残り続けるほうが勝ってしまいますよね。

しかし、それが特に判断を誤らせてしまうことも。

ポイント

比較すべきは「理美容業界と、他の業界」であって、あなたがかけたコストを計上すべきではありません。

例)理美容業界とIT業界はどちらが将来性があるだろうか?

しかし、サンクコストは転職の際に相手を納得させる材料として「これだけ時間と労力を費やしたのに、それでもこの業界に行きたいと思った」という熱量アピールに使えます。

 

美容師としての自分に未練があり離れられない

例えば美容師になったとき友達からこんな事を言われたとしましょう。

  • ○○(あなた)は器用だから美容師似合ってるよね。
  • やっぱり美容師やってるんだ!どおりでオシャレだと思った!
  • ○○(あなた)に切ってもらいたくてさ〜。
  • 絶対美容師向いてるよ!

などなど、挙げればキリがありませんがこのような他人からの言葉が自己イメージを強化していきます。

つまり「他人がこう思ってくれているなら、期待に応えないと」と思ってしまうパターン。

 

また、そんな言葉をかけてもらえる自分に未練があり離れられないという人もいるでしょう。

しかし、最終的には全部あなたの人生です。

他人がこう言うから続けようとか、そういう視点で物事を考えると後悔しやすい可能性も危惧すべき。

 

「もしこのまま美容師を続けて自分は満足できるだろうか、自分の可能性はここだけなのだろうか?」

そういう疑問を抱いているのであれば、挑戦を視野に入れてみるのも良いでしょう。

答えは全て自分の中にあるはずです。

 

美容師の経験を他業界でアピールできない、活かせる気がしない

美容師以外の仕事を選ぶにしても、今まで美容師しかやってない!アピールできる所がない!と悩む人も多いもの。

確かにカットやパーマの技術そのものはアピール材料としては使いにくいでしょう。

 

しかし「美容師は接客業」と考えたらどうでしょうか?

  • 私はお客さんの悩みを聞くのが得意。
  • 幅広い年代のお客さんとスムーズに会話ができる。
  • 人見知りせずハキハキ喋ることができる。
  • 常に笑顔を維持することができる。
  • 立ち仕事に強い。

接客業と捉えるだけで応用できそうな仕事が広がりませんか?

次はカットやパーマの技術も「細かい作業・タイミングの大切な作業」と考えてみましょう。

  • 手先が器用で要領が良い。
  • 同時に複数の作業を進行させるのが得意。
  • 動作に緩急をつけてテキパキこなすことができる。
  • 時間内に仕上げるという意識が高い。
  • 集中力が高い。

次は美容という興味そのものを考えてみましょう。

  • 人の外見的な変化に気づく目が養われている。
  • 身だしなみや清潔感に鋭い
  • 流行をキャッチするアンテナ感度が高い

 

このような視点で見れば美容師という仕事で培ったものは純粋なカットやパーマ技術だけはないことがわかります。

これらと他の業界での仕事を掛け合わせてみることで「新しい視点を持つ人材」となることが可能。

美容師としての行為1つ1つが他の仕事へも繋がる感覚、なんとなくわかって貰えると幸いです。

 

さいごにひとこと

元美容師として生きるのもあなたの個性

例えばですが、ただの「実演販売士」よりも「元美容師の実演販売士」のほうが美容に特化している感がありませんか?

しかも「元美容師の〜」なんて名乗れる人は元美容師しかいないんです。(当たり前ですが重要なことです)

 

あなたが美容師として得た経験が無駄になるかどうかは自分の考え方次第ということ。

参考になれば嬉しいです。

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